Various Colors
ボイストレーナー兼アーティスト鹿野佑太の≪名刺の様なデザインの名刺としてのOwndサイト≫楽曲や活動内容は随時YouTubeやニコニコ動画などにUPしていく予定です!他アーティストの宣伝なども行っています!
【Ibリメイク】メアリーのテーマ制作話
「ある作曲者の苦悩」
□ご挨拶
□本題.~曲完成に至るまでの経緯と苦悩~
- ◆白黒な美術館からの便り
- ◆思っていた以上に...
- ◆深海の世へいざ、沈...まない
- ◆ヒントと心構えと執念と
- ◆おかしな美術館を彩る個性派な楽曲たち
- ◆色々なルートを辿り、晴れてEDへ
- ◆まとめ:迷惑なくらい長いあとがき
□プレイ雑記
◆絵空事の世界、放浪者の末路
□ご挨拶
Ib、とても素晴らしい作品でしたね。
皆さんは一回目どんな結末にたどり着きましたでしょうか?
とても一言で言い表すことなんて出来ませんが
このような良い出会いを持てたこと、非常に嬉しく思います。
さて、"メアリーのテーマ"はIbのためのオリジナル書き下ろし楽曲ということもあり
非常に思い入れの深いものとなりました。
沢山の作曲者がいる中で私へお声がけ下さり、楽曲を採用して下さったkouri様、
メアリーのテーマを気に入って下さったプレイヤーの方々に改めて感謝いたします。
制作話など、まるで自分語りのようですが
そのような一恥にお目こぼし頂けたら幸いです。
チャプターごとに幾つも区分けし、かつ音楽理論的なもの、
さらにはIbリメイク版プレイ雑記まで含む長文となります。
どうかご容赦下さい。(お覚悟を)
※注意事項
この度、私が作曲した楽曲は"kouri様が権利を所有しています"
申し訳ありませんが、私のYoutubeなどでメアリーのテーマは公開しておりませんのでご了承下さい。
現在において楽曲はゲーム内にてお楽しみくださいますよう、お願いいたします。(真・ゲルテナ展へ...)
◆白黒な美術館からの便り
始まりは一年半くらい前、一通のメールからでした。
私は普段、曲を使わせて欲しいor楽譜が欲しい等のお話は頂くのですが
作曲請負の看板を立てていないので作曲の相談はわりと珍しくて驚きました。
幾つか楽曲についてのやり取りを重ねると、お眼鏡に叶ったようで正式にご依頼いただきました!
早速、依頼内容とゲームの概要を伝えてもらうと
それは非常に魅力的な世界観で
あまり例のない美術館というアイデア、絵のタッチなど全体の雰囲気に惹かれていました。
そして「メアリーの曲を新しく作る」という大変光栄な役回りを頂きました。
実は美術品の一つであり、正体を隠しているというのもまた大変魅力的でしたね
(この時Ibを知りませんでした...)
こういった依頼は非常にプレッシャーが強いもので
例えばですが
「ゴジラがリメイクされるとしてゴジラのテーマを新しく別の人が作る」
「長年主役だった俳優さんが引退して新人俳優に変わる」などのような
俗に言う後継者の重圧というやつですね。
後継役の方がプレッシャーを語るインタビュー記事は珍しくないかと思います
と、そんな案件なのですが、だからこそ自分ならある意味で適任かも。と思っていました。
( ´・ω・`)どんな舞台でも全力で踊ってみせられるのが道化者の強み(前向きでも後ろ向きでも)
◆思っていた以上に...
いざ依頼を受け、まずは下調べに乗り出したのは良いものの
資料として頂いたメアリー登場シーンの会話やHPのキャラ設定などを見てみると
とても敵サイドとは思えない姿で、むしろ主人公サイドなのでは?と思うほど...
さらには"メアリー"という可愛らしい名前ですし。
コンセプトは
"絵に描いたような美少女"
可愛いものが大好き、遊ぶの大好き、美味しそうなものも大好き...。(ヒロインかな?)
絵はしっかりホラータッチで、実は敵サイドキャラ、
でも第一印象は純粋そう、可愛らしい、という実にナイスギャップでした。
テーマ曲へのオーダーはワルツ調、といっても前のテーマのイメージは気にしなくて良いとの事
少し可愛らしく、少し怪しく不気味に、というご依頼でしたので
すでに第一印象がナイスギャップだった私は困惑の極致でした。
正体隠す系のキャラにしてもあまりに怪しくなさ過ぎて、メアリーの考えてることとかも子供のそれですし
"可愛いらしい"は余裕でクリアしても"怪しさ"をどう見出すかが難しかったですね。
当初伝えてもらった「実は美術品そして敵サイド」という設定、もっとシンプルなキャラクターだと...。
色々資料(HP)を見ていくうちに細部へのこだわりが見えてきて(あえて高いメアリーの彩度がとてもユニーク)
実にテンション高まる(身が引き締まる)思いでありました。
思っていた以上に複雑なキャラクター性を感じました、恐れ入りました。
※ちなみにこの辺りでようやくIbが伝説的ゲームで、10周年を迎える大事な節目であることを知りました
(調べた)
「あ、本当にゴジラ...」がその時の率直な感想でした。
そう、代役のプレッシャーが思っていた以上に...
( ´・ω・`)思っていた以上に...ゴジラ
◆深海の世へいざ、沈...まない
最初は作曲のためにゲームをプレイしようと考えていたのですが、
リメイクが初めてだって方もいるハズと思い、最初の受付で思い止まりました。
何故なら全てのストーリーを知ってしまうと個人的な好き嫌いや解釈が多く混ざったものとなり
楽曲へ何かしらの影響を与えかねないと考えて「封印」
流石にあり得ませんが、もしあからさまに怪しさ満点な楽曲しか浮かばなかったら
曲で勘付く恐れがあります。
せっかく用意された"驚き"は表面が剝がれていく時などに起こるもの、
一度きりの体験、それはプレイヤーの方々に大事にしてもらいたいですよね(メアリーの正体を考えると猶更)
例えが難しいですが「油絵の表面を剥がすと別の絵が出てビックリ」みたいな感じでしょうか?
あからさまに怪しいBGMで展開が予想できる手法はホラーやパニック映画だとよく見られますが
それは見る側が知っている(前もって伝えられている)前提の曲ですよね。
メアリー登場シーンや会話内容を考えると...、初手から仕掛けていくキャラじゃないですからね。
( ´・ω・`)サメ映画のJAWSじゃあるまいし。メアリー、サメになっちゃう。
◆ヒントと心構えと執念と
プレイ自体を封印するのは良いとして、ただこのまま設定だけではに断片的すぎて作れませんので
さすがに追加情報として知っておきたいことを最低限に絞り、少し調べました。
1.メアリーのテーマの使われるステージは?→「後半のとあるステージでも使用(とってもメアリーな世界)」
2.前の曲、傀儡道化の比較分析→「メアリーとしての合致度を知りたい、合う所と合わない所」
3.どうやら"絵画・メアリー"の絵があるらしい→「可憐な印象で実際のメアリーと差を感じる (これは嬉しい)」
4.他2人のメインテーマは?→「ゲーム音楽っぽくなく、全体の方向性は「静」の印象」
方向性を絞り、さらに以下の心がけ(当たり前すぎて恐縮ですが)
1.楽曲へオーダーが無い限り〇〇(ジャンル)っぽい作りは初手NG。作者様のイメージが最優先。
2.使うアイデアは単なる"思いつき"でなく、理論で関連性を導いた"閃き"であること
3.最速納品をしてゲーム製作時間の邪魔をしないこと(←大事、すごくだいじ)
いざ、ようやく作曲スタートですが
情報を調べてる時の余波で少し知りすぎた感が...悔しい。エンディングとかは見てないけど、けど。
何か色んなとこで、「ハンカチ」とか「ギャリーがケガを」とかの単語がですね...
今思えば再会の約束EDの話だったのね。
(ハンカチ渡せばいいとかまでは見なかったからセーフ?)
この情報が後のIbリメイク前祝い曲の「Three Roses」の画像作成へ繋がります。(Youtubeにあります)
(転んでもタダでは起きないどころか、転ぶにしてもタダでは転ばない姿勢。「執念」です)
( ´・ω・`)でも欲を言えばリメイクを完全初見でプレイしたかったです。(ニューラライザー募集中!)
◆おかしな美術館を彩る個性派な楽曲たち
--とってもまじめなおはなし--
※注意・音楽理論など専門的な内容です。
音名はドレミ、イロハでなくアルファベット(ドレミ=CDE、イロハ=ABC)
そして自分の好きな曲にアレコレ言われるのが苦手な方はご注意を
主観も入りますのでどうか一人の作曲者の解釈とお考え下さい。
軽い分析などを行い作曲のヒントを探ります。(イヴとギャリーは触る程度)
フレーズの流れやコード展開まで書くと普通の人を那由他の彼方に追いやってしまうので割愛。
あと当時の個人メモなので物言いが硬いです。漢字も多くて読み辛い。
※(´・ω・`)←コレが出てきたらメモでなく今書いてるただの感想です。
●---傀儡道化(メアリー)---
□印象
不穏で何かズレたような「動」の楽曲
Ibは全体的に「静」の音楽で彩られているなか、傀儡道化は「動」
その分かなり目立ち、アッパービートが不穏さをより際立たせる。
不穏で不気味なパレード(あるいはサーカスで見られる一幕の道化劇)・ズレた人形劇・シンプル・壊れかけ・
少し悲しげ、寂しげ?・とてもキャッチーな曲・1つのテーマが強い
ただ、故に"少女"を連想するには想像力がかなり必要、曲単体では難しい。
曲調は少女を表すよりもっとソリッド、柔らかさは薄い、寂しげなのもこの無機質が合わさるせいか。
この曲は傀儡道化というテーマでこそという印象(それは非常に優れていることを証明している)
( ´・ω・`)あとキャッチーなのでファンも多そうとも感じました。(イヴ/ギャリーにも言えます)
□キー:Eマイナー
・調性格(性格論は主観的、あくまで参考)
"女性的な無邪気な愛の表明、嘆き、わずかに涙を流すため息、
純粋なCメジャーで解消される至福の希望に近い。
本来ひとつの色(♯ひとつ)しか持たないのでそれを
「白い服を着た、胸にバラ色のリボンを付けた少女」と比較できる"
・性格論で考えるとメアリーとして両立できる所がある
□何か作曲へのヒントは?
「完成した絵画=作者の手を離れる、孤独性」「美術品=無機物の空虚、虚無感」などを見出せば
確かにメアリー、聴こえ方もソリッドでマッチ。
だが孤独の一面のみで捉えた「偏り」がどうしても拭えない。
登場シーンの会話中に見られる可愛らしさや、可憐さのような、ふわっとした感じ、
子供っぽさも欲しい。(狂気さや無邪気の側面による不気味さでない明るいもの)
絵画の少女が表に持っている子供らしい感情、その内の寂しさ?儚い?、無知の歪み、
無邪気の表と裏?それらが1つの形を持っているように感じられる
個人で解釈が分かれる前衛芸術を鑑賞している気分
メアリーの複雑性を1つの主張で表現不可能、とても大きなヒント。
●---Hide and Seek/かくれんぼ(ギャリー)---
□印象
大人な「静」の楽曲
ノスタルジックな哀愁と温かさ・癒しと嘆き・希望
大人でスタイリッシュな外見とは裏腹に女性的な内面のギャリーを思えば両面性を感じる曲調はマッチ
さらっと流れ出す不思議と耳に残る懐かしさの旋律、ふっと何か語りだしそう。
Hide and Seek(かくれんぼ)は隠れた何を探すのか気になる
会いたい人?在りし日の思い出?忘れた記憶?
ギャラリーの設定では深堀りできず。これ以上はただの想像になる、考えない。
( ´・ω・`)当時、曲から感じた印象です。印象は今でも変わら...、賑やかさはガッツリ追加されました
(叫ぶ・蹴る)
□キー:Eマイナー(傀儡道化と同じ)
嘆き、わずかに涙を流すため息、Cメジャーで解消される至福の希望(曲の展開、Eマイナーの視点)
このあたりはギャリーとして合いそうなイメージ
□何か作曲へのヒントは?
メアリーと同じキー、悩み所が発生。
イヴを中心にすると二人が同じ位置にいるように見える
ギャリー(Eマイナー)・イヴ・メアリー(Eマイナー)
キャラと性格論を合わせる遊び心を入れるか否か。これも大きなヒント、選択肢の一つとして。
●---記憶(メインテーマ/イヴ)---
最後はイヴ/メインテーマ
□印象
女性的な「静」の楽曲
柔らかい・悲しい・女性的・ノスタルジック(追憶、日記)
女性的で優しく慎ましい、それと同時に何か思い出すときの柔和な悲しみを帯び、
所々少しの幼さが垣間見える(思い出すような印象のせい?)
静かだが引き込まれる様なうねり?がある。
大人びている曲調、子供にしては物静かで凛としているイヴらしい
( ´・ω・`)けど"記憶"なのは何でだろう?プレイすれば...と、PC前でソワソワしてました。
(曲名と主張が気になる)
イヴ、ギャリーはノスタルジックが共通、アジア人はそれを悲しいと感じやすい
ノスタルジックは記憶から、興味深い
(´・ω・`)ね、これじゃストーリー気になりますよね。(今はスッキリ)
□キー:Aマイナー
・調性格
「敬虔な女性らしさ、最も女性的、柔らかい悲しみ」
感じた印象通りの調性格に安心感すら。
□何か作曲へのヒントは?
イヴだけキーが違うことで
いよいよEマイナー、2人の中心にいるように見えてきた。
楽曲の遊び心は調性格論も含めた視点も入れる事に。良いヒント。
ではメアリーの位置取りは?
-----終了------
( ´・ω・`)メモ終了です。方向性が定まって嬉しい発見でした。
〇おまけ:調性格から見えた奇跡的な偶然
これはあくまで私の解釈です(ご自身の解釈の邪魔になりそうなら飛ばしてください)
イヴだけキーが違いますがこれを平行調で見るとCメジャー「純粋、無邪気、子供っぽさ」になります。
【平行調:メジャーとマイナーで使う音は同じキーのこと、AマイナーとCメジャーは全部白鍵のキーといった感じ】
CメジャーならEマイナー(ギャリー/メアリー)にとって解決の希望であって
それは"白い服を着た、胸にバラ色のリボンを付けた少女"のように例えられている。
(白いブラウス、赤いリボンスカーフ...どこかで...)
個人的な解釈ですが面白いと思いました。
当時はギャラリーから察して恐らくウサギ好き?、あとまだ難しい漢字が読めない。という点から
平行調のCメジャーもあながち間違いではないくらいのぼんやりとした印象でしたが
ストーリーやEDを見た今ははっきり主調と平行が感じられるような...
外側の印象→凛として大人しい、女性らしくお淑やか(お嬢様っぽい)→主調・Aマイナー
内面の印象→ちゃんと子供っぽい面もある(年相応)→平行・Cメジャー
「記憶」はAマイナーなのでCメジャーを持ってくるのは考えすぎだとはわかっていますが
都市伝説のような考え方が出来てしまう...。
何か怖い...この偶然より何より自分の逞しすぎる妄想力が。(調性格論と平行調一つでよくここまで...)
( ´・ω・`)自分の想像力が一番ホラー。
◆色々なルートを辿り、晴れてEDへ
さあ、脱線しかけてるので戻ります
メアリーのテーマ作曲のためと言いながら散々分析(妄想)を楽しみ(この間1日)
何十曲という音楽データが藻屑に消えた末にそれぞれ違うキー3種の曲に絞りました。
かれこれ一週間も掛かってしまいました(実質6日)
(100曲近く消えるかと思いましたが、数十曲分の犠牲で済んで何より)
デモを送るのはkouri様のイメージとすり合わせるための意味合いが強いです
口でなく拳で語るみたいに音楽でミーティングする感じですね。(物騒)
それではデモ曲とメアリーのテーマの解説です。作曲における工夫という感じで読んで頂ければと思います。
また少し音楽理論出てきます、基礎です、大丈夫。...ですよね?
(´・ω・`)え、デモ曲も聴いてみたいと?申し訳ありませんが、何かしらの形でkouri様が公開することを祈りましょう。
( ´・ω・`)そちらの方がスペシャル感が増してとってもお得ですよ。(外道)
(´・ω・`)でもそれじゃkouri様しかデモ曲の話がわからないじゃないかって?
( ´・ω・`)...。
( ´・ω:;.:...(逃走)
□デモNo.1
---「モチーフ:作品・メアリー」---
■幼く、おぼろげで可憐、水彩画のようなメアリー
可憐、儚げ、お淑やかに感じる絵でしたので
地に足のつかないような少し不思議な感じの少女をベースに考えました。
最初の会話に合わせるとして、
一人で美術館を彷徨っていた(という事にしている)不安感と人に合えた若干の安心感と
「絵に描いたような美少女の可憐さ」(儚さや悲哀)を表そうとしました。
元気さは抑え気味でどこか影を感じるような曲調
若干ふわっとしたメロディに子供っぽさを感じられるように目指しました。
--楽曲の仕掛け--
Cメジャーコードで始まるが明るくない、幼いような愛らしいような儚げなメロディの
「Eマイナー」の曲、最初のハーモニーでわかる仕掛け。
マイナーキー作曲の基本は初めと終わりをそのキーを使うとやりやすいという
セオリーがありますが(この場合はEマイナー)
これはふわっとさせたいのでサブドミナントから~、やはり止めときます、普通の方が那由他の彼方に...。
Eマイナーの性格「わずかに涙を流すため息」を少し意識。
□デモNo.2
---「モチーフ:実際に動くメアリー」---
■重ね塗りした層(無邪気/孤独)で書き上げる油絵のようなメアリー
無邪気、子供、純粋な少女をベースに考えました。
下地にある孤独や歪みを表の明るさで悟られない所を表したかった曲です。
そして直前までの重く暗い雰囲気から一転して真っ白な癒しと希望を!
メアリーから!プレイヤーに!与えたい!(大暴走)
「「「「そうしたい!!!」」」((そうしたい‼))←セルフエコー
( ´・ω・`)そしてメアリーの髪ふわふわしてそうだから出来ました(噓でしょ...)
--楽曲の仕掛け--
ALL白鍵、真っ白Cメジャーキー。
最初の会話シーンを意識して活発さと柔らかさ、無垢な曲調。
と思いきやたった1音だけ黒鍵(黒いシミ)を混ぜる、まったく実に嫌らしい構図。
5度間を上昇、下降するオンコードのクリシェで終始するかと見せかけ、
こういう曲だと油断している所に黒鍵の違和感が一瞬だけ影を落とします。
メロディ(表面)を追えば明るいまま、コード(裏面)を追えば...。まったく実に(略)
Cメジャーの性格「無邪気、子供っぽさ」を、そして一面の白に一点の黒(影)を。
(楽譜は繰り返しているので#記号は2つになっています)
ちなみにオルゴールなので黒鍵、白鍵はないのですが、一つのアイデアとして鍵盤の視点を取り入れました。
正体を隠しているメアリーなのでコンセプトとしてどうかなーと遊び心を入れました。
「静」寄りではありますが音のアタックを抑えて跳ねる感じを抑えればもっと「静」の曲調になったかなと後悔。
プレイした今ならですが、勝手ながらデモ1と2は「憧れ」の絵にも合いそうだと感じました。
しかし不気味さというオーダーは何処に...kouri様のイメージを探るとはいえ済みませんでした...(土下座)
(´・ω・`)え!私の思考回路や工夫がすでに不気味ですと!?(幻聴&歓喜)
□デモNo.3
---「モチーフ:複雑、総括的なメアリー」---
■見出し方は人それぞれの前衛芸術的、いやゲルテナ的?のようなメアリー
普段一人で色々考えているが、飽きてその内どこかに遊びに行くという設定や
HPギャラリー「ケーキのはなし」にあったイヴのお腹の鳴る音が何か知らないところから
いわゆる人間的な学びがない(教えが少ない)、価値観や観点のズレ、でもぱっと見は普通で気付かない。
精巧で複雑ではあるが、やはり「つくりもの」のイメージから作られた曲
当時は恐らくこのズレが敵側になる原因になるのかな、と思ってましたがどうやら割と当たりでしょうか。
だからか、やはり、悲劇的でしたね。
--楽曲の仕掛け--
不安、思い悩む、深い絶望のE♭マイナーです。
非常に不安定で不穏にするためにコードが
マイナーメジャー7thだったり、ディミニッシュが連続したり実は構成が複雑
でも不協的なだけの音楽に美しさは見出しにくいので(メアリーからもズレる)
メロディをシンプルにすることで綺麗に聴こえる一工夫を。
そしてこのデモ3に修正加えたものが晴れて"メアリーのテーマ"として採用!GOサイン頂きました!
(正直もっと新しい曲を作る覚悟をしていました)
音源も小さい機器からデジタルっぽいなどいくつか用意して聞き比べてもらったうえで
少し古い感じのオルゴールの音になりました。
ゲルテナは過去の人なので個人的にも合うかなと思います。
最初はもっと不気味でしたが、
すこし不気味すぎるので前半を多少可愛らしく、後半そのままでとのオーダーにより
メロディを変え、ハーモニーの印象を動かすことで解決しました。
なのでメアリーのテーマに可愛らしさと不安定(不気味)さを感じた方は
まさにkouri様の狙い通りとなったことかと思われます。
( ´・ω・`)シンプルそうでも実際は違う。見かけに騙されないで、薔薇には棘があるものよ(造花の仕込み棘)
◆まとめ:~迷惑なくらい長いあとがき~
如何でしたでしょうか? 滅茶苦茶長かったですね!でももう"ちょっと"だけ続くんじゃ(フラグ)
このような怪文章テロをここまで読んで頂けた方々に感謝いたします。
そして「何かを作りたい!」と創作を志す方々に
"他人の工夫に触れること"が万分の一でも何かのヒントになったら幸いです。
あ、個人的には調性格論の偶然の一致が面白い発見でした。Eマイナーに現れる少女のイメージが特に。
今回は作曲のコンセプトを定めるとき、「美術館」を「舞台」のような枠と捉え、
曲には「調性格」という「舞台」を設定する遊び心を用意させていただきました。
あとは音楽理論的な遊び心ですね。
それと、そこまで他の楽曲を読み解いておいて
ファンが多いであろう傀儡道化のような、キャッチーでアップビートな曲にしなかったのか?と言いますと
あくまで私の姿勢というか、エゴのようなものです。ただひたすら一点に
「"静"というIbのテーマに合わせる」こと
「前の曲を意識しなくてよい」というお言葉からあくまでkouri様自身のイメージと合わせてほしい。
という姿勢を感じ取りました。
もし違ったら初めから「傀儡道化っぽく」とか「ファンにウケるような曲で」というオーダーでしたでしょうから
そういった依頼なら徹底的にファンの目線や好みを分析した曲が出来上がったのは言うまでもありません。
( ´・ω・`)つ【傀儡道化のリメイク風:~分析したファンの好みを添えて~】
Ifですが、こんな感じでしょうか。
もしかしたら傀儡道化が全てにおいてメアリーなら私から傀儡道化みたいに作りたいとお願いしたでしょう。
ちなみに私のYoutubeチャンネルにはOp.40やOp.127、Op.84...etcみたいに
アップビートで少し怖いオルゴール曲もあります。数年前の曲ですが、
アップビートなオルゴールワルツが好きな方は是非一度ご試聴頂けると全私が歓喜に湧きます(宣伝)
そして、ギャリーに合わせたEマイナーじゃなくて半音下げのE♭にしたのは
雰囲気はもちろんですが
「メアリーの彩度が高い」「調性格」「メアリーの存在」から考えました。
メアリーは絵画で彩度が高いから逆に考えてキーは低く、
浮かせるのでなく沈ませるという「深海の世」から着想を得ました。
調性格ではEマイナーはCメジャー(イヴ?)が希望になりますが、Ibを調べていた時
常にあちらこちらで「今度こそハッピーな3人脱出EDが欲しい」という声をお見掛けしていまして
私のチャンネルでも完全なハッピーEDがないと教えて頂きましたし
(と言ってもその時はメアリーのテーマ完成、納品済みでしたが)
「そういう結末がないのならEマイナー曲をメアリーにしないようにしよう」と決めていました。
今に至るまでそういうEDがないのは何か理由があるハズで
それは「メアリーには完全な形で希望の手が差し伸べられない」ということであり、
(脱出の)希望を獲得できるのはイヴを除いてギャリーだけという意味を込めてEマイナーを除外しました。
メアリーの存在をあくまで向こうの存在、そのように捉えて希望の逆を考えていました。
あと花言葉とかも面白い解釈できますね。青薔薇の不可能を可能にするとか意味深。
もしも、ですが。デモ1が選ばれてたら半音か全音下げをダメ元で提案するつもりでした。
デモ2はCなので、Eより低い位置と見なしてそのまま納品するつもりでした。
(デモ1のキーはそのままで、と言われたらもちろんすんなり引き下がります)
ちなみに、最初のデモ3修正案にキーとテンポをを少し上げてほしいというオーダーに少しドキッとしました。
上げるとEマイナーになるので「メアリーへ希望があるの!?」と脳が空想から戻ってなかったので、
さあ大変。
でも直ぐに元に戻してくださいと言われたので安心しました(私も現実に戻りました)
プレイ済みの今なら、なおさら良かったと思っています。
(´・ω・`)だってイヴって目に光が無いじゃないですか、タイトル画面とか。
でも、"再会ED"や"サウンドモード"で目に光あるじゃないですか
でも、"いつまでも一緒ED"に目に光が無いじゃないですか
メアリー出れてもイヴは結局、Aマイナーのままじゃないですか
メアリーの希望(Cメジャー)じゃ無いじゃないですか!(((じゃないですか)))←エコー(うるさい)
それで、半音下げのまま「深い絶望のE♭マイナー」なのですが、
偶然にも調性格が希望の逆、絶望で合致。(本当に奇跡)
E♭マイナーで採用されて良かった...。すべての思惑(仕掛け)が取り入れられた...!!(内心ガッツポーズ)
本当に奇跡的な合致に恵まれたメアリーのテーマでした。
そしてその様々なメアリーの結末においても...、奇跡。
それでは、制作話はこんな所でしょうか。
これを読んで頂いた方が少しでもメアリーのテーマに違う楽しみ方を見出して頂けたら
非常に幸いです。ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
--読んでくれた方々、そして作者のkouri様に盛大な感謝を--
Various Colors
◆絵空事の世界、放浪者の末路
(´・ω・`)ようこそ怪文書の世界へ!(ご挨拶)
(´・ω・`)ここからはタガが外れた(外した)私のプレイ雑記的なものになっております。あしからず...。
それでも あなたは 飛び込むの?
初めてのIbリメイクは多くのストーリーそして結末をしらない私にとっては
~「答え合わせ」のような気分でした~
特にキャラクター性とテーマ曲がしっかり合致しているかは
自分の目でも確かめたいものです(心臓がヤバい)
嬉しかったのは
私が思うよりもメアリーのテーマがずっと馴染んでいた事と
メアリーは私が感じていたようなキャラクターだったことでした。
話題の会話システムも非常にキャラクターを深堀りしてくれて、没入感が最高でした!会話楽しい!
答え合わせが予想よりもずっと遥かに嬉しい結果で、私、テンション爆上がりでございました。
そして結末も...予想より凄かったですね。凄かった。
こう...、何といいますか、思い入れですよね、
作者様ほどじゃないと思いますが曲を作っていく過程で愛着がですね。
メアリーに非常に湧きましてね。それはもう親心のそれに近いような。
ですからね、まさに「メアリー」って感じがすごい嬉しかった分ですね、
えぇ、自分でもメアリー寄りにならないよう作曲の時も厳しく距離を取って考えてきましたし
ある種「覚悟」もしていたつもりだったんですが、念願のプレイに気が緩んだと言いますか...。
最後はメアリーと他の美術品を振り切って命からがら脱出とかかなって...
つい...甘えが出たんですよね(願望とも)
えぇ、ラストに心折れました...。あぁそういえばホラーゲームだったんだと。メアリー...。
( ´・ω・`)あぁ...
(´・ω:;.:...最高の..答え合わせでした...
(´・.;:;.:... (´・ω・:... (´・ω・`)戻るんかい
丁寧にプレイしてたお陰なのか1周目で再会の約束EDで嬉しさもひとしお(一番いいエンドだとは知っていました)
イヴ、ギャリーの曲の共通点、楽曲に感じた疑問、推測が確信に変わる嬉しさ...!!
そしてメアリーで壊滅的に驚いたのでもう驚くまいと構えていたらまさかのエンドロールで驚きました
クレジットの順番が、音楽カテゴリーがそんなにすぐだなんて...
てっきりこういうのは終盤だろうとのんびりしてたら
即、音楽のクレジットですからね。心臓外に出るかと。
( ´・ω・`)エンドロールだー。あ、ギター良い曲~♪ 最初kouri様で~...え?...!?!!くらいのタイム感
(´・ω・`)予想より遥かに早い自分の名前の登場に驚くなんて、誰が予想できたでしょう。
(訳:ありがとうございます光栄です)
2周目からはコンプリートに挑戦しました。(ノーヒント)
試行錯誤が楽しくて色々動き回ってましたね。
2周目自分「( ´・ω・`)ギャリー!ギャリー楽しい!(蹴)まさにギャリー無双!!」→ようこそ!かなしいEDへ!
(´・ω・`)ギャリー、済まぬ...身を挺する姿、かっこよかった。
ギャリー無双とかふざけてた自分がほんと恥ずかしい..。
「いつまでも一緒ED」の足元とか会話とか「"これから"ずーっと...」とか、ね。
これから...。姉妹なのにメアリー、「も」はどうしたのさ。
( ´・ω・`)あはは、描写が細かーい。すごーい。(こわーい)
それと追加ダンジョンでまた楽しませて頂きましたし
ギャラリーで見てた美術品たちにも合えて感無量でした。
「最後の舞台」は私にとってイヴ最後の答え合わせでした。...死合せな夢
Cメジャーキーで悲しい曲とか作れないかな...。
そして深海の間でギャリーいる時の安心感は凄い、不思議。
「ようこそゲルテナの世界へED」はメアリーに感じていた印象がさらに合致していって嬉しさ2倍増し。
やはりそういう面がメアリーにはありそうだと思っておりました、
無邪気は善悪の境目すらあやふやに...永遠に...。
最後、最も苦戦したのが「ある絵画の末路」でした、ラスボス(裏ボス?)
これが幾度繰り返しても最後が埋まらない、エンディング数え間違えてるのかと不安になるほど。
会話内容が変わり、メアリー操作になった時は「これか!?」ってなりました、嬉しい。
ステータス画面すごい凝ってますし、美術品に対する距離感も見えて、また嬉しい。
しかも後々教えて頂きましたが
このEDでメアリーのテーマはリメイク前では流れていなかったのを今回わざわざ使って頂いていて
非常に身に余る光栄です‼
思っても見なかったまさかのメアリー操作に、私、テンション爆上がりでございました。(再点火)
( ´・ω・`)えぇ、それはもう見事な爆上がりでしたとも、三尺玉の花火ですらあわやと言わんばかりの
そしてまた、ですね。そう、わざわざ同じ轍を踏み抜く馬鹿とは私のことですね。
きっと死んでも治らないのでしょう。
えぇ、自分でも様々なメアリーの結末を見てきて、
やはりこういうのがメアリーに用意された舞台なのだと改めて厳しく(嬉しく)距離を取ってプレイしてましたし
こう...ある種「覚悟」もしていたつもりだったんですが、まさかのメアリー操作に気が緩んだと言いますか...。
最後はメアリー単独視点での脱出だと、あわよくばゲルテナ本人が出てくるのかもって
つい...甘えが出たんですよね(願望とも)
えぇ、ラストに心の折れる音が聴こえました...(心壊) あぁそういえば"メアリー"のEDだったんだと。
メアリー...。
(´・ω・`)「あ..」
(´・ω:;.:...最後の、..EDなのに..よりに、よって.....
(´・.;:;.:... (´.;:;.:... (..:...((こんな声しか、出ませんでした...!))
;...
..
(´...;. (´・.;:;.:... (´・ω・:... (´・ω・`)やっぱ戻るんかい
「ある作曲者の苦悩」 -完-
提供:Various Colors